着物を着るとき、長じゅばんに半衿(はんえり)をつける作業は避けて通れません。着物にあわせて色や柄を考えてカワイイ半衿を付け替えたくなります。白半衿でしたら、既製品の長じゅばんを購入したときや反物で購入し仕立てを依頼したときはつけてもらうこともできます。それでも汚れたら、洗って付け替える作業は発生します。
半衿をちゃんと縫い付けるのは手間がかかり、慣れないと時間もかかります。私も手縫いは不器用すぎて半衿の縫い付けはできればやりたくないほど苦手です。そんなときに便利なのが 「半衿用両面テープ」 を使った方法です。この方法なら、裁縫が苦手な方や、急いで準備したいときでも簡単に半衿を取り付けられます。
今回は 半衿用両面テープを使った簡単な半衿の付け方 を詳しくご紹介します。初心者の方でもすぐにできるので、ぜひ試してみてください。
半衿用両面テープとは?
半衿用両面テープは、着物の衿元を整えるために使われる専用の両面テープです。普通の文房具用の両面テープと違い、着物用に作られているため、以下のような特徴があります。
- 粘着力が強すぎず、剥がしやすい
- 長じゅばんや半衿の生地を傷めにくい
- 水に強く、汗をかいても剥がれにくい
- 薄手なので、仕上がりが自然
最近では、和装小物を扱うお店や通販サイトでも手軽に購入できます。
両面テープを使うメリット
半衿は縫い付けるのが一般的ですが、両面テープを使うことで次のようなメリットがあります。
- 縫う手間が省ける
- 初心者でも簡単にできる
- 時間がかからず、5~10分で完成
- 取り外しが楽なので、半衿を頻繁に交換できる
- 和裁が苦手な人でもキレイに仕上がる
特に、半衿を季節ごとに変えたい方や、私のように着るたびに違うデザインを楽しみたい方にはピッタリの方法です。
ただし、やってはいけないのは文房具の両面テープを使うこと。粘着力が強すぎて剝がしにくい、生地を傷めてしまうなど、取り返しのつかないことにもなり得ますのでご注意を。
半衿を両面テープでつける方法
準備するもの
- 半衿用両面テープ
- 長じゅばん
- 半衿(色半衿や柄物などお好みで)
- アイロン(必要に応じて)
※すでに白半衿がついている長じゅばんの場合、その中に衿芯を先に入れてしまいましょう。後のアイロンがけなどの作業がラクです!
手順① 半衿をアイロンで整える
まず、半衿にシワがないように アイロンをかけておきましょう。これをすることで、仕上がりがキレイになります。特に、新品の半衿は畳みジワがあることが多いので、必ずアイロンを当てるのがおすすめです。

あわせて、縦に二つ折りにして中心がわかるよう印をつけておくと、後の作業が楽です。
手順② 長じゅばんの衿を広げる
次に、長じゅばんの内側を表にして衿を広げ、衿の中心(背中心)を確認します。長じゅばんの背中心は縫い目があるのでわかりやすいです。半衿の中心は手順①で印をつけてあれば、長じゅばんの背中心に合わせ上から挟みます。 半衿の中心と長じゅばんの背中心をしっかり合わせる ことで、仕上がりが左右対称になります。


手順③ 半衿の幅を調整する
長じゅばんの白い部分からはみ出る長さを内側に折り込み、アイロンをかけます。


手順④ 両面テープを貼る
半衿を固定するために、両面テープを 長じゅばんの衿の端から端まで貼ります。貼る位置の目安は以下の通り。
- 両端・中心・数か所に貼ると安定する
- 衿の端ギリギリではなく、5mm~1cm内側に貼ると見栄えが良い
- 長すぎる場合は、途中で切って調整(半衿テープは手で簡単に切れます)

両面テープは 長いまま一気に貼るよりも、数か所に分けて貼る ほうが、仕上がりがキレイになります。
手順⑤ 半衿を貼り付ける
両面テープを貼ったら、剥離紙(はくりし)を剥がし、 半衿の背中心を襦袢の背中心に合わせて貼ります。
- まず中心を貼る
- 次に、左右の衿を貼る
- シワが寄らないように、少しずつ押さえながら貼る


中心から左右20cmぐらいまではシワが寄らないよう丁寧に貼るのがポイントです。なぜなら着物を上に着たときに見える部分がそのぐらいだからです。見えないところは適当でも大丈夫です(笑)。
手順⑥ 半衿の外側も手順③~⑤を行う
長じゅばんを表裏逆にして、外側の半衿も同じように手順③~⑤の作業をします。



手順⑤ 仕上げのチェック
すべて貼り終えたら、 全体のバランスを確認しましょう。
- 左右対称に貼れているか?
- シワや浮きがないか?
- 剥がれやすい部分がないか?
もし 浮いている部分があれば、少量の両面テープを足して補強 します。

半衿を剥がすときの注意点
両面テープは粘着力があるため、 剥がすときに生地を傷めないように注意 しましょう。剥がしやすい方法を紹介します。
剥がすときのコツ
- 端からゆっくり剥がす(勢いよく剥がすと生地を傷めることがあります)
- ドライヤーで温めると剥がれやすい
- 残った粘着が気になる場合は、湿らせた布で優しく拭く
また、両面テープを 何度も貼ったり剥がしたりすると、生地が傷みやすくなる ため、貼り直しはなるべく避けましょう。
両面テープを使うときの注意点
両面テープは便利ですが、以下の点には注意が必要です。
- 長期間の使用には向かない(粘着が弱くなることがある)
- 高温多湿の環境では粘着力が落ちることがある
- 繊細な生地には使用を避ける(正絹など)
特に 正絹(しょうけん)やデリケートな生地の場合は、貼り剥がしによるダメージを考えて、両面テープの使用を控えたほうが無難 です。木綿やポリエステル素材の半衿なら安心して使えます。
まとめ
半衿を両面テープでつける方法は、 手軽で時短できる便利な方法 です。特に、頻繁に付け替えたい、サッと準備したい方におすすめです。
- 半衿用両面テープを使うと縫わなくてOK!
- 5~10分で簡単に装着可能!
- 剥がすときは優しく、慎重に!
着物をもっと気軽に楽しみたい方は、ぜひ 両面テープを活用してみてください!